校長室だよりNO62
今日は朝から弱い雨が降っていました。通学路を見まわっていると、子供たちは傘は持っていても、差していない子の方が多いくらいでしたが・・・。また、地域の皆様が、子供たちに声をかけながら、安全を見守ってくださっていました。いつも有難うございます。
台風2号が発生し、関東地方に接近しています。明日には発達せずに熱帯低気圧に変わる予報ですが、梅雨前線を刺激し明日、子供たちの登校する頃は、雨が強くなりそうです。くれぐれも安全に気を付けて登校するようご注意ください。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、昨日は沖縄県の摩文仁で「沖縄全戦没者追悼式」が営まれました。その中で、小学6年生が朗読した「おばあちゃんの歌」に感動しました。紹介します。
毎年、ぼくは弟と慰霊の日に
おばあちゃんの家に行って
仏壇に手を合わせ ウートートーをする
一年に一度だけ おばあちゃんが歌う
「空襲警報聞こえてきたら 今はぼくたち小さいから
大人の言うことよく聞いて あわてないで
さわがないで 落ち着いて 入っていましょう防空壕」
五歳の時に習ったのに 八十年後の今でも覚えている
笑顔で歌っているから 楽しい歌だと思っていた
ぼくは、五歳の時に習った歌なんて覚えていない
ビデオの中のぼくは あんなに楽しそうに
踊りながら歌っているのに
一年に一度だけ おばあちゃんが歌う
「うんじゅん わんにん 艦砲ぬ くぇーぬくさー」
泣きながら歌っているから 悲しい歌だと分かっていた
歌った後に「あの戦の時に死んでおけば良かった」
と言うからぼくも泣きたくなった
沖縄戦の激しい艦砲射撃でケガをして
生き残った人のことを「艦砲射撃の食べ残し」
と言うことを知って悲しくなった
おばあちゃんの家族は
戦争が終わっていることも知らず防空壕に隠れていた
戦車に乗ったアメリカ兵に「デテコイ」と言われたが
戦車でひき殺されると思い出て行かなかった
手榴弾を壕の中に投げられ
おばあちゃんは左の太ももに大けがをした
うじがわいて何度も皮がはがれるから
アメリカ軍の病院で
けがをしていない右の太ももの皮をはいで
皮ふ移植をして何とか助かった
でも、大きな傷あとが残った 傷のことを誰にも言えず
先生に叱られても 傷が見える体育着に
着替えることが出来ず 学生時代は苦しんでいた
五歳のおばあちゃんが防空壕での歌を歌い
「艦砲射撃の食べ残し」と言われても
生きてくれて本当に良かったと思った
おばあちゃんに
生きていてくれて本当にありがとうと伝えると
両手でぼくのほっぺをさわって
「生き延びたくとぅ ぬちぬ ちるがたん」
生き延びたから 命がつながったんだね
とおばあちゃんが言った
八十年前の戦争で
おばあちゃんは心と体に大きな傷を負った
その傷は何十年経っても消えない
人の命を奪い苦しめる戦争を二度と起こさないように
おばあちゃんから聞いた戦争の話を伝え続けていく
おばあちゃんが繋いでくれた命を大切にして
一生懸命に生きていく
六年生が書いたこの「おばあちゃんの歌」世界中に届いてほしいと思います。
更新日:2025年06月24日 12:06:45